カードローン返済額の計算方法
カードローンを毎月返済する際に決まられた返済金額は、一定の計算式によって算出されています。もちろん、カードローンの契約時にこの計算式は契約書に提示されていますが、この計算式を熟知している利用者は意外に少ないものです。
おそらく大半の利用者は毎月の返済金額と返済期間を大ざっぱに把握しているだけでしょう。しかもリボルビング払いような返済方式だと計算式も複雑であるため、計算式の根拠を理解している利用者は少ないものです。そこで、カードローンの返済金額の計算方法について以下に述べてみましょう。
実質年率の利率
銀行系・クレジット系・消費者金融系のいずれの金融業者でも、利用者とカードローン契約を締結する際に用いる専門用語があります。最も基本的な用語が「元金」と「利息」で、利息とは元金に金利と借入期間をかけて算出されます。そして「金利」はいろいろな表記方法がありますが、現在の金融業界で用いられている表記はほとんどが「実質年率」です。
実質年率とは1年間にかかる金利を表記したいわゆる「年率」のことで、貸金業者が利用者に金利を提示する場合には、広告や契約書にはこの実質年率を表記することが法律で定められているのです。
ちなみに、利息制限法では上限金利が定められており、10万円未満が年20%、10万円以上100万円未満が年18%、100万円以上が年15%となっています。なお、業者が提示する実質年率には借入れ金額の利息に手数料・印紙代・保証金などの金額が合算されています。利用者は利息と同時に業者が企業運営に必要な費用も同時に負担していることになるわけです。
返済のシミュレーション
実際に、借り入れした元金にどれだけ金利がかかって返済までの総額がいくらになるのか、お金を借りる段階でシミュレーションしてみることが大切です。それによって、毎月の返済計画がきちんと立てられることとなるからです。安易に「毎月○○○円くらいなら大丈夫」と考えると不必要なお金を余分に借りてしまい、結果的に負担を重くしてしまうことが少なくないからです。
たとえば、年率18%のカードローンで50万円を借入れ、これを120日間で返済する計画を以下にシミュレーションしてみましょう。
利息を算出する計算式は、
なので、
実際の数値に当てはめると、
となります。
つまり、この場合の利息は29,589円ということになり、支払い合計額は、
すなわち529,589円を4ヶ月かけて返済することとなるわけです。
支払総額を把握しておけば、「頑張ってもう少し早めに返済しよう」という気持ちになるのではないでしょうか?
利率と得する借り方
利息制限法では、借入金額が高額となるにつれて金利が低くなるように設定されています。これは、元金が高額だと業者側に返済される金額も多額となることから、金利を低くしても業者には十分な利益を確保でき、利用者には返済時の負担を軽くするメリットがあるといえます。表現は適切ではないかもしれませんが、商品を購入する金額が大きくなると値引率も大きくなるのと同じ理屈といえるかもしれません。
つまり、9万円を20%金利で1ヵ月借りると、
となりますが、10万円なら18%の金利なので、
となり、元金が1万円高くなっても金利はほぼ同額なので得するというわけです。
もちろん、これは数字上のメリットに過ぎませんので、金利が安くなるからといって、安易に多めに借り入れをするという無計画なことは厳に慎むべきでしょう。
カードローンに関しては、常に「借りすぎない、無理な返済計画を立てない」ことが肝要です。
まとめ
各カードローン会社のウェブサイトには、返済シミュレーションの専用ページが設けられており、所定の欄に数字を入力すると即座に計算値が表示されるようになっています。この便利なシステムを利用して、返済計画を立ててみた上で借り入れする金額を決めることをおすすめします。