カードローンでの返済計画の立て方
カードローン各社の広告には「ご利用は計画的に」とか「借り過ぎに注意しましょう」などというフレーズが必ず入っています。これは、過去に大きな社会問題を起こした個人利用者の多重債務あるいは債務超過問題を喚起するために設けられた個人を顧客として金銭貸借契約を業とする金融業界の自主規制でもあります。
つまり、各社共にタレントを起用して派手に広告し利用を呼びかける一方で、お金を借りる行為に依存症的な危うさがあることを各社が自認しているといえるでしょう。
そこで、利用者にとっては絶対に必要である適正な返済計画の立て方について綴ってみましょう。
余裕ある返済金額を算出する
返済計画を立てる際にまず必要なのは、月々の収入から必要な出費を差し引いいた上で、毎月返済できる金額を設定することです。
この場合、月々の出費に加えて貯金にまわす金額も加えておきましょう。つまり、月々の返済に充てる金額は、収入から出費プラス貯金額の総額にさらに1〜2万円程度を加えた総額を差し引いて算出するという用心深さが肝心です。こうしておくことによって、緊急事態にも対応できる余裕を持っておく必要があるのです。
社会人ともなると急な出費が毎月のようにあります。社会人になりたての新卒者は、社会経験が無いために、収入と支出のバランスが崩れ、仕方なくカードローンで借入れをするというパターンがよくみられます。
そして、余裕ある返済金額を算出しておかなかったために、返済のために借り増しするという悪循環に陥ることがよくあるので、社会経験の浅い若者ほど、余裕ある返済金額を計算しておくことが大切だといえるでしょう。
借金の返済は最初に立てた計画を崩すなかれ
返済計画を立てるにあたって肝に銘じておくのは、金利負担を極力減らすことを第一に考えるべきだという点です。
毎月の返済額は現金と利息の合計金額なので、当然ながら少しでも実質金利の安いカードローンを選択し、前もって算出しておいた月々返済可能な金額を何ヶ月重ねると元金と金利を足した支払総額になるのか計算してみます。
そして返済する月数が仮に1年となった場合、1年間後に完済するイメージをはっきりと頭に入れておくことが大切で、よほどのことでもない限り、追加の借入れはしないようにしましょう。
カードローンには利用限度額があり、コンビニのATMなどでいとも簡単にキャッシングできるだけに、必要もない借り増しをすることで最初に立てた返済計画が狂ってくることが間違いの始まりと強く認識しておくことが肝心です。最初にイメージした1年後の完済計画を簡単に変更するのはNGと心得ておきましょう。
「返済シミュレーター」は万能ではない
各カードローン業者がそれぞれのウェブページに掲載している「返済シミュレーター」を利用して返済計画を策定する利用者が多くなっており、返済計画を立てるための大いに役立っているようです。しかしながら、この返済シミュレーターはあくまでも便利な計算システムに過ぎず、各利用者の収支バランスを把握して警告できるまでの機能はありません。
したがって、毎月の収入と出費そしてこれから起きるかもしれない緊急事態などを予測して返済可能金額を算出するのは、あくまでも利用者個人の自覚に委ねられているのです。
独身で一人暮しという若い世代の社会人ほど、金銭感覚が麻痺しやすいという傾向があります。
カードローンを利用することをよいチャンスと捉え、この機会に個人の金銭出納簿すなわち家計簿をつけることを強く進言します。今はパソコン用に便利で使いやすいフリーの会計ソフトもあるので、これを利用して正常な金銭感覚をマスターするように努力してみましょう。
まとめ
初めてカードローンを利用するということは、社会からお金を借りる必要があるということと同義でもあり、個人の金銭管理能力が試される時期になったともいえます。適正な返済計画をもとにカードローンが持つ本来の利点生かせるのか、あるいは過重債務となり後悔するのかは、まさに利用者の心がけ次第なのです。