借金の一本化と債務整理のメリット、デメリットの比較
債務整理、特に自己破産というと人生の脱落者のような印象があります。そのため、債務整理をできれば避けたいと思う人が多いようです。その場合、借金返済が苦しいと債務整理を避けるために、借金を一本化(おまとめローン)して返済を楽にしようという広告に興味を持つ人が多くいます。
そこで、借金の一本化と債務整理を比較してそのメリット、デメリットについて解説します。
「借金の一本化」おまとめローンのメリット・デメリット
債務整理とのメリット、デメリットの比較の前に、借金の一本化、おまとめローンだけのメリットとデメリットについて考えてみます。
メリット
借金を一本化するメリットは、一般的に借金をしたときの金利が、少額な借入金ほど高く、金額が大きいほど金利が低くなり、同じ借入金でもまとめる方が返済金額が少なくなることです。また、返済日が1つになるので返済の手間が楽になります。
高金利で借りている場合、金利が低くなることは大きなメリットではあります。さらに、誰の助けも借りないで自分自身で返済しているというプライドや、誰に知られずに借金を返済できることもメリットに入れても良いかもしれません。
デメリット
借金の一本化は決して借金が減って返済が楽になる訳ではないことです。金利が減少するだけで、元本はそのまま残ります。そのため、返済期間が長くなる可能性があります。つまり、1回あたりの返済金額が少なくなっても、支払回数が多くなり、結果として、トータルの支払金額は、それほど減らない可能性があります。こうなると、支払期間が長くなるだけ借金に苦しむことにもなりかねません。
また、借入金の総量規制によって、年収が少ないと借金を一本化できない可能性もあり、中途半端な一本化は、支払金額を減らすためには大きなメリットにならない可能性もあります。
さらに、一本化することで、小さな借入金が完済したことになり、これを10年放置すると払い過ぎた利息の過払い金返還ができなくなる可能性があります。
このように、借金の一本化のメリット、デメリットを比較するだけでも、借金の一本化は決して無条件におススメできる方法ではないことがわかります。
借金の一本化と債務整理のメリット・デメリット
借金の一本化のメリット
- 一般的に借金をまとめることで、元本は減らないけれど低い金利で借りられて、1回あたりの返済額を減らせること。
- 借入(返済)余力があれば、さらなる借金をしたり、ローンを組んだりできること。
- 返済をきちんと行う限り信用情報が悪くならないこと。
債務整理のメリット
- 借金の元本が減少する、またはゼロになること。
- 債務整理の方法にもよりますが、原則5年以上は借金、ローンができなくなること
ここでは借金を減らすことが最大の目的のため、これ以上の借金やローンを組めないことはメリットにします。
借金の一本化のデメリット
- 借金の元本が減るわけではないので、返済期間が長くなると金利が低くなっても支払総額は大きく減らない可能性があること。
- 返済金額が減少することで、さらに借金が増える可能性があること。
債務整理のデメリット
- 債務整理の方法によっては、ブラックリストに掲載されること。
- 債務整理の方法によっては、借金の一本化よりは家族などの周囲の人に借金していることが分かってしまうこと。
- 借金の元本を減らすため、借金している相手が業者だけではなく友人・知人の場合は迷惑をかけること。
借金の一本化と債務整理の比較のまとめ
自己破産など社会的な信用をなくすイメージのある債務整理ですが、自己破産以外にも債務整理の方法があります。また、借金の一本化によって、大きなメリットが得られるわけではありません。
そのため、借金の一本化を行う場合は、債務整理について詳しく知り、借金の一本化とのメリット、デメリットをよく比較して、自分にとって最善の方法を選択するようにしなければなりません。一般的には債務整理が借金の一本化よりもおススメな方法になります。