おまとめローンのデメリットとは?
複数のローン返済を一本化することで金利負担を軽減し、返済時の手間ひまを省けるおまとめローンは、消費者にとって大変ありがたい存在です。業者の宣伝効果もあって、借り換え契約をする人が急増しています。
しかしながら、表があれば裏があるのが世の常です。「おまとめローン」にはメリットと同時にデメリットもあることを知っておかねばなりません。契約してから後悔しないためにも、「おまとめローン」のデメリットを以下に綴ってみましょう。
低金利だけに厳しめの審査
おまとめローン最大の魅力は「低金利」にあります。複数のローンを一本化して借り替えるわけですから、現行のローン金利よりもおまとめローンの金利は低くなるのは当然で、業者もこの点を強調して広告・宣伝をしています。
ただし、おまとめローンは金利が低く設定されているだけに、通常のローンよりも契約時の審査が厳しいというのが現実です。
おまとめローンには、銀行系と信販・ノンバンク系がありますが、銀行系の方が金利が安い分審査も通りにくいといわれています。
一般に、過去の延滞情報は5年間残るといわれているので、支払遅延の経験がある人には銀行系おまとめローンの契約は難しいといえるでしょう。
審査では過去の契約期間よりも契約件数が重視される傾向があるので、一度信販やノンバンク系のおまとめローンを契約し、契約件数を減らした後に銀行系に申し込むという方法もあります。
業者側に「返済確実な顧客」であることをアピールすることが大切です。
意外な落し穴
おまとめローンが低金利である理由は「複数のローンを一本化して返済する」という目的が明確になっているからです。たとえば学資ローンなどの目的ローンが低金利になっているのと同じで、おまとめローンはあくまでも他のローンの返済を目的とした借入れであることが前提となっているわけです。
したがって、単純に「金利が安いから」という理由だけで安易に申し込むと、意外な落し穴が待っていることがあるのです。
たとえば、元本150万円で年率18%、返済期間3年のローンを年率15%返済期間6年のおまとめローンに切り換えたとします。以前は7万円だった月々の支払が一気に4万円となったことでだいぶ楽になったように感じるのですが、この場合確かに金利自体は低くなったのですが、返済期間が2倍になったために、結果的に返済総額は高くなってしまうのです。
得したように感じられても、実際は業者に多く金利を支払っているということもあるので要注意です。
借り過ぎと悪質な詐欺に要注意
最近は、広告では「複数のローンの一本化」をうたっているものの、実際は使途を問わない低金利なローンも各金融機関から出ています。人間の心理として「金利が安いから少し多めに借りておこう」という気持ちになりやすい点に注意する必要があります。
つまり、必要でない借入れをしたばかりに、また余計な負債を抱えてしまい、結局後悔するはめに陥る人が少なくないのです。複数のローンをおまとめローンに切り換えたからといって、単に金利が安くなったというだけで、決して借金がなくなったわけではありません。
したがって、おまとめローンを利用する場合は、あくまでも返済の利便性のみに絞るのが利用であり、余分な借入れはしないという強い意思を持つことが大切なのです。
また、最近は悪徳業者による「おまとめ詐欺」という事件が相次いでいます。これは、低金利のおまとめローンを装って、最初に手付金や保証金を入金させてそのままドロン、という手口なので十分に注意しましょう。
まとめ
「おまとめローン」の数々のメリットに隠れてあまり目立たないデメリットも知っておく必要があります。契約してから後悔しないためにも、「おまとめローン」のメリットとデメリットの両方を熟知した上で契約するという慎重さが大切です。