過払い金返還請求ができない4つのケースとは？

過払い金返還請求を促すCMが毎日たくさん流れています。そのCMでは、高利で借りていた借金は10年で時効が成立するので、取り戻せないという以外は、過払い金があれば取り返せるような内容のことしか言っていません。しかし、実際には、いろいろなケースで過払い金が戻らないケースがあります。

過払い金請求をする前に知っておくと、過払い金返還請求をしたけど戻ってこなかったというときの失望感を防げます。そこで、過払い金が戻らない4つのケースを紹介します。

10年の時効

借金を完済してから10年を経過すると、過払い金があっても請求する権利がなくなります。ただし、多くの人は一度借金を完済しても、数カ月後にまた同じ業者から借金をしてまた完済を繰り返しています。

このような場合、基本契約書が1通であれば、空白期間がどれだけ長くても1つの取引と考えられています。これを示す証拠が残っていない場合は原則1年以内程度であれば1つの取引として認められる可能性があります。つまり、最初の借金が完済から10年を経過していても、また借金をしてその借金を現在も返済中。あるいは次の借金もまた完済していてもその完済から10年を経過していなければ、一番初めの借金も10年の時効にかかりません。

貸金業者は、完済後に空白期間があって、また借金をしているケースで過払い金請求があると「取引の分断」を主張してきます。これによって過払い金の返還額を減らす主張をしてくるので注意が必要です。

貸金業者の倒産、合併

過払い金の返還請求が認められたことで、過払い金返還請求が殺到し経営体力のない中小の貸金業者や大手でも武富士が経営難に陥り、倒産または合併されて消滅しています。この場合、借りていた貸金業者倒産していれば過払い金返還請求は相手がいないのでできません。

合併で会社は消滅していた場合は、合併後の会社が存続していればその貸金業者に過払い金返還請求ができます。例えば、三洋信販（ポケットバンク）がプロミス（SMBCコンシューマーファイナンス）に、ライフがアイフルに合併されています。

過払い金が発生しない貸金業者

アコム、アイフル、プロミス、武富士などの大手をはじめ多くの貸金業者は、約27%から29%の違法な高金利で貸し出していました。

そのため、過払い金が発生しますが同じ貸金業者でも違法な金利で貸し出しをしていない貸金業者が存在していました。例えば、アットローン、モビット、キャッシュワンです。これら貸金業者から借金をしていた場合は、過払い金は発生していないので返還請求できません。

法律改正後に借金をした場合

貸金業法という法律で上限金利が20%以内に定められたのが2006年12月です。その後、この金利を上回る金利で貸し出していた貸金業者は、法律では2007年から2010年にかけて金利を下げることが認められていました。

しかし、多くの貸金業者は、2007年代に入って自主的に金利を下げました。そのため、この時期以降に新規に借金をした場合、違法な金利では借りていないことになるので過払い金は発生していません。

なお、法律改正以前に借金をしていた場合は、完済するまで高金利でも良いと法律が定めているので、今も返済しているような場合、過払い金が発生している可能性があります。

ただし、多くの貸金業者は、将来返還請求される可能性があるので法律改正後に自主的に金利を下げています。そのため大きな期待をすることはできませんが確認しても損はありません。

20%をこえる高金利のショッピングクレジット

クレジットカードには、現金を借りるキャッシングと買物をした金額を一時的に借りるショッピングの機能があります。買物でクレジットカードを良く使う人の中には、20%をこえていたら過払い金の対象になるのではと思う人もいるかもしれません。

しかし、ショッピングをクレジットカードで支払った場合、いくら高金利であっても過払い金返還の対象にはなりません。

その理由はショッピングは買い物代金を立て替えて支払ってもらっているものであって、借金ではない（金利はつかない）からです。金利の代わりに高額な手数料を払っていることになります。

同様にリボルビング払いによるショッピングで長期にわたって買い物代金を支払う場合も、その金利（手数料）が高くても過払い金の対象になりません。ただし、単なるキャッシングやリボ払いのキャッシングは、20%をこえていれば過払い金の対象となります。

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